CISMORについて

センター長挨拶

イスラーム・ユダヤ教・キリスト教の共存と平和構築を目指して

 
同志社大学 一神教学際研究センター
センター長 四戸 潤弥

2003年に設立された同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)は、一神教と一神教世界について学際的で総合的な研究・その研究成果を世界に向けて発信し、イスラーム・ユダヤ教・キリスト教世界の「仲介者としての役割」を果たすことを目的としてきました。中東で生まれた3つの一神教、すなわち、イスラーム・ユダヤ教・キリスト教は「兄弟の関係」にありながら、欧米とイスラーム世界は対立・抗争の歴史を繰り返してきましたが、今日の世界が直面している「文明の共存」と「安全保障」の実現のためには、一神教について、文明論的な視座からの「総合的」で「学際的」な研究活動が必要です。

同志社大学は、新島襄による創立以来、キリスト教研究とアメリカ研究に力を注ぎ、高い評価を受けています。CISMORでは、一神教文明をトータルにとらえるために、宗教研究においては研究対象をキリスト教だけでなく、イスラームとユダヤ教に拡大し、研究対象となる地域に関しては、アメリカだけでなく中東、アジア、ヨーロッパにも拡大し、学際的で総合的な研究活動を実施しています。 CISMORは歴史的「しがらみ」から自由な「外部」に位置する日本だからこそ実現できた研究センターであり、3つの一神教を同時に本格的に学際的に研究できる研究機関は、日本においてだけでなく、世界においても希有な存在です。

日本における一神教研究の歴史は浅く、その理解も十分であるとはいえません。一神教とその世界に対する情報や研究成果を日本社会に積極的に発信しながら、日本の伝統や宗教と一神教世界の関係を構築していくことも、CISMORが負っている重要な使命です。

CISMORの研究活動の特徴の一つは、研究成果を日本語・英語・アラビア語の3カ国語で発信している点にあります。CISMORの学術雑誌『一神教学際研究(JISMOR)』(日本語、英語)、『一神教世界』(日本語、一部英語)、『ユダヤ学会議』(日本語、一部英語)、Japanese and Oriental Studies(アラビア語)だけでなく、ウェブサイトも3カ国語で情報発信しています。日本語のみとなりますが 『CISMOR VOICE』(年2回発行)では、CISMORの活動全体をわかりやすく報告しています。

また、CISMORはカイロ大学オリエント研究センターを始め、世界11か国の大学・研究機関と学術交流協定を締結しています。国際的なネットワーク構築の目的は、研究者交流、共同研究、学術資料や刊行物の交換、シンポジウムの開催などを通じて、異なる世界の相互理解を深め、学術研究の向上やグローバル化を図ることにあります。

一神教を背景とした世界は、今なお、様々な課題を抱えていますが、一神教世界の平和と共存を実現するために、日本において、また京都から何ができるのかを考え続けていきたいと願っています。