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[掲載情報]カイロ大学アラビア語能力検定試験に関する記事(中外日報、2017年2月17日)

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[掲載情報]カイロ大学アラビア語能力検定試験に関する記事(中外日報、2017年2月17日)

2017年03月03日

2016年03月28日

 

2017年2月17日発行の『中外日報』にて、カイロ大学アラビア語能力検定試験に関する記事が掲載されました。

(文面)————————

アラビア語検定の仕組み
(同志社大学一神教学際研究センター長 四戸潤弥)

 私が勤める同志社大学一神教学際研究センター事務局、エジプト・カイロ大主催のアラビア語能力検定試験が19日に実施される。2008年と昨年に続き3回目だが、受験生は昨年が25人、今年は16人で本学学生に加え、関西外大や都留文科大の学生や社会人など学外からも応募があり、手応えを感じている。初級の他、中級1、2の試験を初めて行う。アラブの中学生が学ぶ古典を読めるレベルが中級2となる。
 本学には語学が優秀な学生を表彰する制度があるが、対象となるには公的機関の認定が必要だった。これがきっかけとなり、協定を結んでいるカイロ大に実施を依頼した。日本側は難易度指定だけで問題作成や採点には一切タッチしない。検定料も全て主催者に納める。 
 国内の専門家を集めて実施することも不可能ではないが、日本の現状を考えると、外国の機関の認定の方が客観性が増し、検定の信頼性が上がって受験生のメリットが大きいと考えた。
 日本で現在見られるアラビア語の記述や説明には誤りが少なくない。語学書でも書き言葉や会話中心のものが多く、『クルアーン』(コーラン)をはじめ、アラビア語の古典を正しく音読し、理解するためには不十分だ。「神」をスペル通りに転写訳したら、「アッラーフ」だが、発音は「アッラー」となる。表記と読み方の異同は日本語も同じだ。このようなルールは子供のうちに身に付けるので、大人向けの本には書いていない。
 そのため、現在、各国の小学校から高校までの各教科書を収集し、どの学年でどのような表現が使われ、どのように説明されているかを常に確認している。日本人向けの教科書を作ることができれば一番良いが、現在、講習会で使用している有名な文法書を訳しただけでも随分と手間がかかった。
 今後も受験生の増加を見込んでいるが、試験のレベル設定には改良の余地がある。挑戦しやすく、学ぶ意欲が上がるような、検定の仕組みを作り上げていきたい。