研究

研究プロジェクト

日本には一神教世界についての地域研究や人類学的研究の拠点はいくつかあるが、思想的・神学的研究を行う拠点は存在しない。
しかし、そのような研究が、実際の紛争解決や一神教世界の理解にとってきわめて重要な役割を果たすことを踏まえ、CISMORの研究活動では、ユダヤ教・キリスト教・イスラームそれぞれの思想的・神学的研究を深めるだけでなく、三者に共有される思想的・神学的課題や争点を重点的に取り扱っていく。
 
いずれの一神教も、それが成立した場を離れて、今やグローバルな活動領域を有している。グローバル化の中で不可避的に直面した近代化、世俗化、西洋思想との対決など、一神教世界を取り巻く思想的課題に対しては、政治思想の側面からも研究を進めていく。
また、一神教的な価値が日本社会にもたらした変化や葛藤についても研究対象とする。

三つの一神教は、従来、ユダヤ学、キリスト教神学、イスラーム学として個別に研究されてきた。この三つの一神教は特に近代以降、対立の歴史を繰り返してきた。三つの一神教を「同根の宗教」として把握し、対立ではなく共存を可能にするために、それぞれの神学、法学、哲学、思想を視野に入れた総合的な一神教研究の基盤を構築すること目指す。
 
またCISMORでは、国際政治と安全保障を視野に入れた学際研究を目指している。2001年の9・11同時多発テロとその後のイラク戦争や、広く中東の政治情勢には一神教が深く関わっている。またキリスト教世界であったヨーロッパにおいては、近年、イスラーム系移民の増加によって、民族や宗教における多様性を保障しながら、どのように社会統合を図ればいいのかが喫緊の問題となっている。このようなグローバルな政治課題を一神教の視点から考察していく。