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[非公開研究会]未来のハシディズム

研究プロジェクト

[非公開研究会]未来のハシディズム

[非公開研究会]未来のハシディズム

日時: 2015年10月03日(土)15:00-17:00
場所: 同志社大学 今出川キャンパス 至誠館3階会議室
発表者:
  • Jonatan Meir(ネゲヴ・ベングリオン大学准教授)
コメンテーター:
  • Fumio Ono(同志社大学准教授)
  • Doron B. Cohen(同志社大学講師)
要旨:
この講演では、マルティン・ブーバーの著作(とりわけ初期の『ブラツラフのラビ・ナフマン』や『バアル・シェムの伝説』)における「純粋な神秘主義」としての東欧ハシディズム像について論ずる。また同様に、20世紀前半の東欧の非ユダヤ人や神秘家たちによる、こうしたハシディズム像の受容についても取り扱う。ブーバーによるロマンティックな描写はすでに多くの学者によって分析されているが、ハシディズムや、その他の東欧の思想家たちがこうした描写に対して示した反応には、いまだ十分に注意が払われていない。同時代の現象―ブーバーによればそれは停滞期に入ったというが―に対抗して、ブーバーが「純粋なハシディズム」の形姿を掲げたちょうどそのときに、東欧のハシディズムのただなかでは、根本的なルネサンスが生じていた。ブーバーのハシディズム像は歴史的な事実性と無関係であるというだけではない。彼は同時代に生じているハシディズムのルネサンスを完全に等閑視しているのである。この講演においては、ブーバーの叙述に異議を唱えた幾人かの東欧の思想家や学者の反応について手短にに論じつつ、ワルシャワの神秘家、ヒレル・ザイトリンのユニークな反応に焦点をあててゆきたい。