21世紀COEプログラムによる活動記録
特定研究プロジェクト
2004年度より新しく2つの特定研究グループが組織され、より地域に特化した専門的研究を行うことになりました。各プロジェクトの概要は次の通りです。
特定研究プロジェクト1「ヨーロッパにおける宗教政策」研究会
代表 石川 立(同志社大学神学部教授)
ヨーロッパ、とりわけドイツ、フランス、イギリスの政府機関が、それぞれの国の宗教状況に対してとっている宗教政策を研究する。ヨーロッパにおける多様で多層的な宗教的状況に関して、情報収集と分析を行うと共に、政府機関がそれをどのように捉え、評価し、どのような形で対処しようとしているかを調査、考察することを目指す。また、各国と並行して、EU全体の宗教政策についても詳細に調査と分析を行っていく。
特定研究プロジェクト2「イラン・イスラーム体制における西欧理解」研究会
代表 富田健次(同志社大学大学院神学研究科教授)
米国に代表される現代西欧とイスラームとの間の緊張と軋轢を考察をする上で、看過し得ない存在であるイラン・イスラーム体制に焦点をおき、その対西欧・米国観が宗教的・文化的・歴史的に如何なる形態や属性そして構造を有するか、その分析と考察のための基礎的知識を重層的に蓄積する作業を行い、最終的には現代西欧や米国からの視点と有機的に繋ぐことを目指す。
特定研究プロジェクト3「一神教世界における科学と近代化」研究会
代表 三浦伸夫(神戸大学国際文化学研究科教授)
特定研究プロジェクト4「中東の教科書における非イスラム宗教のイメージとその意味」研究会
代表 中田 考(同志社大学大学院神学研究科教授)
特定研究プロジェクト5「イスラームにおける他宗教との共存-伝統と現代への対応」研究会
代表 中田 考(同志社大学大学院神学研究科教授)
イスラームは、異教徒を庇護民としてイスラーム世界に受け入れ、納税を条件に生命、財産、名誉と宗教的自治を保障する体制を作り上げ、十数世紀にわたって多くの宗教、宗派の共存を実現してきたが、近代に入って西欧によって植民地化され、西欧の政治思想・制度との調整を余儀なくされた。本プロジェクトはシリアを例に、イスラームにおける他宗教との共存のありかたの伝統と現在におけるその変容について考える。
特定研究プロジェクト6「ヨーロッパの史的展開とイスラーム」研究会
代表 中田 考(同志社大学大学院神学研究科教授)